聖なる夜は・・・(ロビン×ゾロ+ルフィ×ナミ) |
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それは12月も暮れに近づいたある日の事、ルフィとウソップはいつもの様に二人並んで釣りとしていました。
「なぁ、そろそろクリスマスだな」
「あぁ、サンタがトナカイの肉をくれるんだよな?」
「違うだろ!」
「冗談だよ、うっひゃっひゃ」
「お前が言うと冗談に聞こえないんだよ」
ウソップのツッコミにも動じないルフィは、突然口を閉じると、糸を垂らしたままぼんやりと水面を眺めた。
「なぁ、ロビンてさ・・・クリスマスって知ってるのかな・・・」
「そりゃクリスマス位誰だって・・・あ・・・」
「あいつ・・・皆で祝うクリスマスって知らないんじゃないか?」
「そうか・・・だったら・・・」
「あぁ、やろうぜ。俺達がロビンに楽しい事を一杯教えてやるんだ!!」
船べりを下りた二人は、慌てて皆の集まる食堂へと駆け出して行った。
その頃ゾロは、いつもの様に甲板で昼寝をしながらルフィ達の会話を耳にしていた。
(クリスマスか・・・)
ぼんやりと空を眺めていると、急に気候が変わり、空は一面の雪雲に覆われ始めた。
(ちっ、また冬島かよ・・・)
ゾロは舌打ちを洩らしながら、コートを取りに男部屋へと入って行った。
(プレゼント・・・用意しねぇとな・・・)
コートに袖を通しながらそんな事を考えると、ゾロはふと思い立った様に食堂へと向かった。
「おいナミ、ちょっと顔貸せ」
女部屋で読書をしているロビンの居ない食堂で、こっそりとクリスマスパーティーの打ち合わせをしていた皆は、その声に一斉に振り向いた。
「何?今忙しいんだけど」
「良いから、ちょっと顔貸せよ」
ゾロはそう言うと、ナミの腕を掴んで無理矢理甲板へと連れ出した。
「何よいきなり・・・」
ナミはかなり機嫌が悪いらしく、ゾロの手が離れると、掴まれた部分を摩りながらゾロを睨み付けた。
「買いたい物がある・・・、金貸してくれ」
その言葉を聞いた瞬間、ナミの耳がピクリと動いた。
「もしかして、クリスマスプレゼント?」
「な・・・何だって良いだろ!!・・・別に・・・」
真っ赤になって顔を背けるゾロを見て、何かを確信したナミは、意外な言葉を口にした。
「今回に限って、利息無しで良いわよ?」
ゾロは、その言葉に自分の耳を疑った。
「お前、自分で何言ってるのか解ってるのか?」
「当たり前じゃない、失礼ね。・・・ただし、条件付きだけどね」
やっぱりと肩を落とすゾロに近づくと、ナミはしたり顔でゾロに耳打ちを始めた。
「・・・そんな事で良いのか?」
「あんたには関係無いでしょ!?・・・どうするの?」
真っ赤になって睨みつけるナミを見て、ゾロは小さく笑った後、ナミの条件を受け入れた。
そして23日の昼・・・
ゾロとナミの二人は、着いたばかりの港街へといそいそと出かけて行った。
「あの二人が一緒に出かけるなんて、珍しいな」
サンジとウソップとチョッパーが珍しそうに見送る中、ルフィは何やら落ち着かない様子でそわそわと甲板を歩き回り、ロビンはいつもの様に本を読み始めたが、上の空と言った様子でページのめくれる音は聞こえてこなかった。
「・・・ウソップ、ちょっと買出しに付き合えよ」
その様子に気付いたサンジが、わざと二人に聞こえる様な大声で隣のウソップに声を掛けると、サンジの意図を察したウソップも、二人に聞こえる様な大声を張り上げた。
「あー、悪いなサンジ、俺様はこれからチョッパーと秘密の特訓をしなければいけないから買出しには付き合えないんだ・・・おー、其処にルフィとロビンが居るから、二人に手伝ってもらえよ」
「え!?俺、ウソップと特訓するのか!?」
驚くチョッパーの口をウソップが塞ぐ様に抱きかかえると、サンジはロビンの元へと歩み寄って行った。
「ロビンちゃんにこんな事お願いしたくは無かったんだが、良かったら買い物に付き合ってくれないか?」
先程から外に出る口実を考えていたロビンは、むしろ嬉しそうにサンジの要請を受け入れ、同じ様にウソップに説得されたルフィと三人で、船を後にした。
「さて、チョッパー。俺達にも大事な任務が待っているぞ」
「大事な任務!?一体何だ!?」
目を輝かせるチョッパーに対してウソップが告げたのは、明日のパーティーの準備だった。
その頃ゾロとナミの二人は、街の中にあるブティックの中に居た。
「これじゃ駄目か?」
「そんな悪趣味なの誰がするのよ。・・・本当にあんたって趣味悪いわね」
と、まるで恋人同士の様なやりとりをしているのを、偶然にも三人は目撃してしまい、ルフィはガックリと肩を落とし、ロビンはあきらめにも似た視線を二人に向けた後、二人に気付かれぬ様に、その場を後にした。
背後を付いて来る二人の重苦しい雰囲気を感じながら街を歩いていると、可愛らしい小物を置いておる店の前に出た。
「・・・コックさん、此処で少し待っていてもらえるかしら?」
ロビンはそう言うと、ルフィを連れて店の中へと入って行った。
(ロビンちゃん・・・もしかしてあいつの事・・・)
漠然とそんな事を考えながら店の前で待っていると、小さな包みを沢山抱えた二人が戻ってきた。
「お待たせ。さぁ、帰りましょう」
先程より少し元気の出た二人を見てホッとしつつ、サンジは二人と船へと戻っていった。
そして24日が来た・・・。
皆は手筈通りに仕度を整える為に、ゾロとロビンに買い忘れた物を買って来てくれと言って船から追い出し、その間に昨日ウソップとチョッパーは昨日仕度しておいた飾りを食堂一面に貼り付け、サンジは昨日の晩から仕込みをしておいたパーティーの料理を作り始めた。
その頃ルフィとナミは甲板で二人が戻って来ないか見張りをしていた。
「・・・ねぇルフィ・・・」
昨日から視線を合わせようとしないルフィに向かって、ナミは静かに声を掛けた。
「え?・・・あ・・・何だ?」
本人は普通に振舞ってるつもりらしいが、一瞬目が合った瞬間に、再び視線を反らした。
「・・・ロビンの事が気になるの?」
ナミの一言に、ルフィはキョトンとした顔でナミを見た。
「何で?」
「何でって・・・あんたロビンの事・・・」
「それは違うぞ、確かにロビンは良い奴だけど、そんなんじゃない」
「だってこの前からずっとロビンの為にクリスマスパーティーしようって一番騒いでいたのはあんたじゃない!!」
「だってあいつ、今まで楽しい事何もした事無さそうだったじゃんか、だから俺は楽しい事を教えてやりたかったんだ。それに今日はチョッパーの誕生日だろ?皆で祝って何が悪い!?」
「それってやっぱりロビンが好きって事なんじゃない!!」
「違う!!俺が好きなのはナミ・・・!!」
口喧嘩に発展した途端、勢いに乗って出てしまった言葉に、ルフィが慌てて口を塞ぐと、ルフィの目の前には、呆然とルフィを見るナミの姿があった。
「嘘でしょ・・・?」
「嘘なもんか、でも・・・お前ゾロの事が・・・」
「違う!!昨日はゾロに頼まれて買い物に付き合っただけで・・・私の好きなのは・・・その・・・あんただから・・・」
「え・・・?」
二人は暫しの間、真っ赤な顔で互いの顔を呆然と見つめ合った。
―つづく―