「お正月に会ったばかりだから、久しぶりでも無いけど、やっぱり会えて嬉しいわ」
嬉しそうに話している絹を他所に、卍丸とカブキは、落ち着かない様子で、鍋で煎られている大豆を見ていた。
「あの豆は、鬼に撒く為の物ではありませんよ」
二人が振り返ると、階段から、綾と綾部村の村長が顔を出した。
「この辺りでは、鬼に感謝して、節分の掛け声を変えているのです。」
「え?・・・では、なんて?」
「『鬼は内、福は内』と言います。本来鬼は鬼族ではなく、陰陽師の『陰(おん)』から来ているのですよ」
「え・・・じゃあ・・・」
「そう、本来は、邪気を祓い、春を呼ぶ儀式・・・私達鬼族にとっても、重要な儀式なんです」
「そうだったんですか・・・」
やっと納得した顔になった二人を見て、絹が二人の手を引っ張った。