「父ちゃんと母ちゃんは考えがあるだろうからっておいらを送り出したけど、おいら達に守ってほしいって事か?」
「バカ、守るも何も、村人と鬼達は上手くやってるんだから、豆なんて連中に投げるわけねぇだろうが」
「あ、そっか」
「そうか、お前達は知らんのだな、綾部の豆まきを」
極楽は意味深な一言を言って、ニヤニヤと二人を見たが、それ以上は何も語ろうとはしなかった。
二人は何とかして聞き出したかったが、極楽は、妻である千代の入った大きなたらいをかかえている為、手荒な真似も出来ず、ブツブツ文句を言っている内に、綾部村にさしかかった。
「おぉ!これは火の勇者様!!良くおいでくださいました!!」
卍丸達が来るのを知っていたのか、村の入り口で待っていた村長が、見かけるやいなや、4人の元へと駆け出して来た。
「絹様も綾様も、首を長くしてお待ちでしたよ、早く行ってあげて下され」
村で食事をもてなしつつ、村長にせかされ、卍丸たちは、困惑しつつ、近江山へと向かった。