冬の贈り物

(卍丸×絹)


暮れも押し迫った12月初頭の事、絹は近江の大江山から鬼独自の超能力を使い、卍丸の元へ遊びに来ていた。
最初は緊張して卍丸以外の人物とは満足に話も出来なかった絹だが、最近は卍丸の両親や村の人々とも打ち解け、村人達も、最初は鬼の子と内心恐れていた部分があったが、根の一族の出現以来、すっかり腰の抜ける様な事態に慣れきってしまった村人達は、絹が村に危害を与えるつもりが全く無いと解った途端に普通の娘と何ら変わらぬ対応を見せ始めた為、絹にも自然と笑顔が増えていった。

「絹、今日は泊まって行けるのか?」
一家で昼食を取っていた卍丸が、茶碗を抱えたまま、シロが背負ってきた大きな風呂敷包みを見て聞くと、絹は小さく頷いた。
「父様も母様も、卍丸の所だと安心して家を出してくれるの。カブキさんの所へ行く時だけは、何故か誰かしら付いて来るし、お泊りなんて絶対許してくれないのにね、シロ?」
「ワン!」
絹が土間で餌を貰っていたシロに声を掛けると、シロは返事をする様に吠え、それを聞いた卍丸は絹の両親の意図を察して笑い出した。


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