あじさいの唄

(卍丸×絹)


「そう言えば、絹は結局、色男のお前さんにとうとうなびかなかったな」
「けっ、来た所で子供は相手にしねぇんだよ」
「あら、私って、そんなに子供に見えますか?」
カブキが悔し紛れの悪態をついた所で、部屋の襖が開き、細身の剣を抱えた絹が、不服そうに頬を膨らませて帰ってきた。
「げっ!絹・・・何時の間に・・・」
「・・・預かり所に骨の剣を預けていたのを卍丸が思い出して、取りに行って来ただけです。」
絹はムッとしたまま部屋の真ん中へ座り、後から付いてきた卍丸も隣に座った。
「や・・・あれは、つい口から出たでまかせでな、本当は・・・」
珍しく慌てふためくカブキを見て、絹は楽しそうにコロコロと笑った。
「絹が笑った・・・」
卍丸が絹を見て、驚いた様に口を開くと、後ろから極楽のげんこつがとんだ。
「当たり前だろ、絹だって感情位あるわ、馬鹿!」
そのやりとりを見て、更に笑い声を上げる絹につられる様に、部屋中に皆の笑い声が響き渡った。

―終わり―


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