あじさいの唄

(卍丸×絹)


「お前さんは出かけないのか?安芸も今日の夜には出発するんだろうが?」
「さすがの俺様も、昨日の今日で女を口説く元気なんて出ねぇよ」
カブキはそう言うと、窓に肘を預けて、うんざりと振り返った。
「・・・此処まで長かったもんな」
「あぁ、俺様もまさかこんなに長いことてめぇらに付き合うなんて思ってもいなかったぜ」
カブキはそう言いつつも、その顔はどこか晴れ晴れとしていた。
「卍丸か・・・不思議な男だ」
「本当だよな、最初会った時は、たたの小汚ぇガキだったのによ」
「・・・そんな小汚いガキに、俺たちは何時の間にか命を賭けてるんだもんな」
「絹もそうだったな・・・最初は何時倒れちまうじゃねぇかと、心配で仕方無かったぜ」
「おぅ、俺様は、戻ってきたらいきなりやたらデカイのと可愛いのが居て内心たまげたぜ。けどよ、やっぱり1番驚いたのは、あの鎖だよな」
「・・・事情を知っちまった今なら、納得出来るけどな」
「まぁな、けど、俺様は今の絹の方が元気があって好きだぜ。やっぱり女は元気じゃねぇとな」
「お?珍しく意見があったな」
二人はそう言うと、互いの顔を見て、苦笑を洩らした。


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