あじさいの唄

(卍丸×絹)


「おぉ、カブキ、卍丸と絹の二人はどうした?」
安芸で白銀城を陥落した翌日、いつもより遅めに起きた極楽は、卍丸と絹の姿が見えない事に気付き、部屋の窓から退屈そうに外を見つめるカブキに声を掛けた。
「あの二人なら、朝から絹の武器を買いに行ったきりだぜ?」
カブキが振り向きもせずに答えると、極楽は布団の上に座り込んで、昨日の事を思い出していた。

鬼の力を発動し、吹雪御前を亡き者にした絹・・・
自害するつもりの絹を救いに命がけで崩落寸前の白銀城に飛び込んで行ったカブキ・・・
そして、自分たちの説得にも頑として応じなかった絹の心を動かした卍丸。
極楽は、最初、この面々では根の一族との戦いなどとても無理なのではないかと内心不安で仕方無かったが、皆の心が一つになり、暗黒ランが残り一本となった今、不安は確固たる信頼へと、その姿を変えていた。


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