この日は、男役3人娘の特別公演の千秋楽を翌日に控え、楽屋で最終ミーティングが行われていた。
「最後なんだから、何かこう『あっ!!』と驚くような事をしてぇよなぁ・・・」
そう言ったのは、お祭好きのカンナであった。
「でも、公演は明日だから、今からではとても無理だ」
カンナの発案を相変わらずの冷静な口調で却下したのはレニ。
「でもよぉ・・・、あたい達だけが舞台に立つなんてそう滅多に無いし、何かこう、見に来てくれた人がびっくりする様な事がしてぇんだよな。マリアはどう思う?」
二人がマリアを見ると、マリアは上の空と言う感じで、窓の外を見ていた。
「おい、マリア!」
マリアは、カンナの声にハッとして二人の方を向くと、二人は心配そうにマリアを見ていた。
その時、ドアをノックする音が室内に響き、レニがドアを開けると、目の前に真っ赤なスイカが飛び込んできた。
「お疲れ様」
そう言いながら、冷えたスイカを運んできたのは、いつものモギリ服に身を包んだ大神だった。
「これ、ファンの人からの差し入れでさ、今まで冷やしておいたんだ。」
そう言いながら、大神は、部屋の真ん中に置かれたテーブルの上にスイカの載ったお盆を置いた。
「うっまそー!!じゃあ早速・・・いっただっきまーす!!」
カンナはそう言うと、勢い良くスイカにかぶり付いた。
「・・・美味しい」
初物のスイカを食べ、レニも満足そうにスイカに喰らいつく。
「マリアは食べないのか?・・・マリア?」
またぼんやりしているマリアに声を掛けると、マリアはやっと大神に気付いた。
「隊長・・・、いつの間に?」
「いつも何も、さっき来たばかりだよ。・・・それよりどうだい?美味しいよ?」
大神がそう言うと、マリアは小さく首を振った。
「いえ・・・今はいいです・・・」
マリアはそう言うと、楽屋を出て行ってしまった。
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