迷い

(加山×かえで)


 加山は医務室のベッドに横たわったままぼんやりと天井を眺めてると、ドアのノックの音と共に大神が入ってきた。
「大神?お前会議は?」
「早めに終わったんで急いで帰ってきたら、由里くんが怪我をした加山が此処に来たと教えてくれてね」
「お前は大げさなんだよ・・・っく!」
 加山は陽気に振舞い、半身を起こそうとしたが、その瞬間、腕に激痛が走った。
「馬鹿、寝てろよ。心配しなくても月組にはかえでさんの方から連絡が行ってるから」
「すまんな」
 加山は大神に支えられながら、再びベッドに横になった。
「なぁ、お前かえでさんの事をどう思ってるんだ?」
「なんだよ、やぶから棒に」
「言えないのか?」
 大神の質問に、加山は目を反らした。
「副指令とは、ただの上司と部下の関係でしかないだろう」
 加山の一言に、大神は悲しげな表情を見せた。
「大神?」
「・・・加山、お前なんで俺にまで嘘をつくんだよ」
 その一言に、加山の顔が曇ったが、直ぐにいつもの調子に戻って返事を返した。
「俺は嘘をついた憶えなんて無いぞ、気のせいだろ大神ぃ」
「・・・俺が帰ったとき、泣いていたんだぞ、かえでさん」
「え?」
「お前の事が余程心配だったんだろうな、俺が来たのも実はその為なんだ」
 大神は、ベッドの横に置いてある椅子に腰を掛けると、加山の顔を見た。
「おせっかいとは思ったけどさ、あのままだとあまりにもかえでさんが不憫でな・・・」

「・・・本当におせっかいだな」

 加山は大神の言葉を遮る様に、否定的な言葉を口にした。


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