その日、加山は帝劇内の医務室内のベッドの上に居た。
「・・・問題は無さそうね」
カルテを手にしたかえでは、ホッとした様に呟いた。
実はこの日、偵察中の加山は潜入先で敵に気付かれピストルで撃たれたにも関わらず、その足で帝劇までやって来たのだ。
「どうして病院に行かなかったの?」
「気付かれた以上、事は迅速を要しますし、病院はすぐに足が付きますから」
確かに加山に言っている事は正論だし、かえでとてそれは理解している。だが、それだけでは納得しきれぬ何かがあった。
「今回はたまたま運が良かったから腕をかすっただけで済んだけど・・・」
不意にかえでは下を向いて黙り込んでしまった。
「今日は大神君も留守だし、報告は明日でいいわ」
かえではそれだけ言うと、そそくさと医務室を後にした。
「副指令・・・」
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