風呂上りの夜空に

(ロベリア・紅蘭)


大神はロベリアに対して、恋愛感情が無い事をキッパリと告げた事を、紅蘭は隠れていたタンスの中から聞いていたし、ロベリアもまた、その事を知っていた。
「何だよ、あんたが落ち込む事じゃないだろ?」
ロベリアがバツの悪そうな顔で言うと、紅蘭は黙って頷いて服を脱いだ。

「・・・隊長ってさ、きっとあんたのそういう所に惚れたんだろうぜ」
湯船に浸かったロベリアが口を開いたのは、紅蘭が髪を洗い終えて湯船に入ってきた時だった。
「何の話?」
紅蘭が曇った眼鏡を外し、視点の定まらない顔でロベリアに聞くと、ロベリアは少し微笑みながら口を開いた
「あんたってさ、いつも周りに気を使って自分を押さえ込んでるけど、自分の考えに対しては妥協が無いだろ?・・・隊長は、あんたのそんな真っ直ぐな所に惚れたんじゃねぇかと思ってな」
ロベリアはそう言うと、紅蘭の傍へと寄ってきた。
「・・・あんた、この私から隊長を奪って行ったんだ。・・・幸せにならなかったら承知しないよ?」
「・・・ごめんな・・・ロベリアは・・・」
謝りかけた紅蘭の頭を、ロベリアはいきなり湯船に押し付けた。
「!!何すんのや!!」
顔を上げた紅蘭を見て、ロベリアは楽しそうに笑った。
「さっきも言っただろ?あんたが落ち込むことでも無ければ、謝る事でも無いんだよ・・・それより・・・」
ロベリアはそう言いながら、近くにあった石鹸を手に取り、いきなり入口に向かって投げつけた。
「・・・紅蘭、前言撤回させてもらうぜ・・・お前、こんなのと本当に一緒になるのか?」
ロベリアの視線の先には、石鹸を顎に直撃されて気絶する大神の姿があった。


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