「大神はん、うちに付き合ってくれたら、ごっつ良い物見したるさかい、今の内に・・・」
そう言って大神を半ば強引に連れ出そうとした紅蘭の背後に、妖気にも似た視線を感じて二人が恐る恐る振り返ると、そこには既に溢れる嫉妬心で髪の毛の逆立っているさくらの姿があった。
「紅蘭・・・抜け駆けなんて許さないわよ・・・?」
「じょ・・・冗談やがな、さくらはん・・・・」
すみれの演じた妖鬼婦人にも決して引けを取らないその迫力に気圧された紅蘭は、引きつった笑みを浮かべながら、大神とその場に座りなおした。
「大神さん、お正月は当然、私と一緒に過ごしてくれますよね?」
さくらの脅しにも似た一言に大神が真っ青になると、マリアが見兼ねた様に立ち上がった。
「皆いい加減にしなさい。隊長が困ってるでしょ?」
マリアの一言に、皆一斉にマリアを見て、その直後に大神へと視線が集中した。
皆の視線を一斉に受ける形となった大神は、暫し沈思した後、ゆっくりと口を開いた。
「・・・今日は皆で初詣に行って、それからみんなではねつきをしよう。
明日は皆帰省してしまうし、元旦は皆で過ごさないか?」
その言葉に、皆は最初少し不満気ではあったが、待ち合わせ場所である玄関に集まる頃には、普段の顔を取り戻していた。
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