迷い猫

(ゾロ)


「この子、あなたの猫?」
女はゾロから猫を受け取ると、屈み込んで少女に見せた。
「あ、ミント!!」
少女は子猫を受け取ると、嬉しそうに抱き抱えた。
「お友達のお家に行って帰ってきたら居なくなっててびっくりしてたら、パン屋のおばちゃんが此処に行きなさいって言うから来たの・・・」
女はもじもじしながら話した少女の頭を軽く撫でた。
「偉かったわね」
「うん、ありがとうお姉ちゃん!!」
誉められた事が自信に繋がったのか、少女は元気に礼を述べた。
「お礼なら、後ろのお兄ちゃんに言ってあげてね。お兄ちゃんが今までずっとミントの世話をしてくれていたから」
女が振り向きながら言うと、少女は一瞬驚いた顔をしたが、直ぐに明るい表情に戻った。
「ありがとう、お兄ちゃん!!」
「あ・・・あぁ」
面と向かって礼など言われた事の無かったゾロは、真っ赤になって目を反らした。
「さぁ、今度はあなたのお母さんが心配するから、早くお帰りなさい」
「うん、じゃあバイバイ!!」
少女は猫を抱えて、もと来た道を戻って行った。
「さてと、私も片付けに戻るか・・・」
女が振り返ると、寂しそうな目をしたゾロが少女の後ろ姿を見ていた。
「・・・片付け、手伝って」
女の言葉に安心した様にゾロは上に戻っていった。


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