迷い猫

(ゾロ)


「お待たせ」
暫く待っていると、女が買い物袋を抱えて戻ってきた。
「傘が一本しか売ってなかったから二人で入ろう」
女はそう言うとゾロを傘の中に入れ、雨の街を港の方へ向かって歩き始めた。
二人が無言のまま歩を進めると、港に程近い場所に、一件の洒落た造りのアパートが見えた。
「あそこよ、行きましょう」
女はゾロを引き連れて、アパートの中へと入って行った。
外階段を上り最上階の一番奥のドアの前に立つと、女はノックもせずにドアを開けて中へと入って行った。
「何してるの?早くいらっしゃい」
女に促されるままに中に入ると、其処は大きめのベッドしか見当たらない生活感の無い部屋だった。
「あんたの男の部屋か?」
「違うわよ。泊まった事はあるけど寝た事は無いから」
ゾロのぶしつけな質問に対しての、あまりにもストレートな答えに、聞いたゾロの顔が真っ赤になった。
「まったく・・・あいつも相変わらずだな・・・」
女はそう言うと、真っ直ぐに台所へ向かい、料理を始めた。


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