迷い猫

(ゾロ)


(・・・俺は此処で終わるのか?)
雨の冷たさからなのか、空腹からくる物なのか、ゾロは自然と気弱になっていった。
(どうせ死ぬなら、せめて奴に会ってから死にたかったな・・・)
壁に背を預け、そんな事を考えていると、足元に何か擦り寄ってきた。
(・・・?)
ゾロが下を見ると、一匹の子猫がゾロに体を擦り付けていた。
「・・・」
その猫は飼い猫らしく、首に赤いリボンをしていたが、道に迷ったのか雨に濡れ、震えながらもゾロに擦り寄ってくる。
ゾロはその猫を抱き上げると、自分が屈み込んで猫をシャツの中へと入れた。
(お前も迷子か?)
シャツの中から顔を出した猫に、ゾロは話し掛ける様に見つめた。
猫はその問いに答える訳も無く、静かにゾロの胸に抱かれていた。
(俺も帰りてぇな・・・)

そんな事を考えたら、不意に目頭が熱くなった。

その時、遠くから水を弾く音と共に、誰かが隣へとやってきた。


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