「好きな物頼めよ」
自分の分を注文したゾロが言うと、たしぎはコーヒーだけを注文して、小さなため息をついた。
「軽い女だと思ったでしょうね」
たしぎはそう言うと、悲しげな笑みを浮かべた。
「・・・」
ゾロは心の中を見透かされた様で視線を落とすと、丁度良いタイミングで昼食が運ばれてきた。
「・・・貴方、私の知ってる人にそっくりだったので、てっきりその人かと思ってしまったんです。」
たしぎはそう言うと、いただきますと言った後でコーヒーを口に運んだ。
「・・・そいつは、どんな奴なんだ?」
完全に別人だと思われている事を確信した後、ゾロはたしぎの真意を聞きたい衝動に駆られ、いけないと思いつつも、質問をぶつけた。
「・・・その人、私が死んだ親友にそっくりだから気に入らないと私に言いました。」
「・・・」
「私は最初、私の知らない人とそっくりと言われても迷惑なだけだし、私の人格を否定された様で、本気でその人を憎みました・・・でも・・・」
「・・・出よう」
これ以上の話を他の客に聞かれたくなかったゾロは、たしぎと共に、人気のない埠頭へと向かった。
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