そして22年の月日が流れ、少年は海軍大佐と言う称号を携えて、この地へと戻ってきた。
(此処も変わらねぇな・・・)
世界最弱の海。
男は最初、此処への辞令に対して強い不満を抱いていた。
だが、つい先日報告のあった魚人海賊団を一日で壊滅したと言う無名の海賊団の存在が、男の好奇心と期待感を煽った。
(今度こそ・・・)
男は最近の海賊達の卑劣さと弱さに嫌気が差しつつも、心の何処かで、第二のゴールド・ロジャーを求めていた。
そして、港で初めてその少年に出会った時、男の期待は大きく膨らんだ。
顔も知らない三千万ベリーの賞金首・・・そして、少年の日に憧れた偉大なる男と同じ目を持つ少年が同一人物と解るまでに、さほど時間は掛からなかった。
(やっと逢えた・・・)
男は、少年の正体を知った途端、期待で胸を躍らせた。
だが男の期待は、広場での闘いにより、失望へと変化した。
(やはりこの程度か・・・)
男は何処かへ飛んで行った少年を追う気にもなれずに時を待った。
あいつが本物ならば、必ずあの場所へと戻ると信じていたからだ。
そして、男の思惑通りに少年は処刑台のある広場へと舞い戻り、バギーの仕掛けた罠にはまった。
通報を受け、駆けつけた男は、首を固定され、身動き出来ない少年を見て、絶望にも似た失望感を憶えた。
(こいつだと思ったのに・・・)
少年に対する悔しさで歯軋りしながら様子を見ていると、死を目前に少年が、仲間に別れを告げた後に満面の笑みを浮かべた。
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