「よぉ、ハデ馬鹿。久し・・・何だその格好は!?」
カブキが驚いて指差したその先には、靴底が50センチ以上はある特注のロンドンブーツにそれを隠す様に履かれたベルボトムのGパンと、頭はまげを外して髪を下ろし、その上にはチューリップ帽。そして、目にはやたら大きな丸いサングラスがかけられていた。
「て・・・てめぇ・・・それは倫敦の最新の服じゃねぇか・・・」
「ふっふっふ、どうだぁ絹、こんな時代遅れのハデ男より、俺様の方がよっぽどいなせだろ?背も伸びたし、これで俺の嫁になるのは決まりだな」
「・・・くそぅ」
悔しそうに歯噛みするカブキを尻目に菊五郎が絹に一歩近寄ると、絹は一歩後ろへ下がった。
「何だ?俺様が眩しすぎて照れているのか?くっくっく・・・それは仕方ないよな、俺様の様な伊達男に口説かれた事など無いだろうしなぁ」
絹は、菊五郎のやたら勘違いな発言に、顔を引きつらせながらも後ずさりを繰り返していると、後ろに人の気配を感じた。
「!? 卍丸!」
「やぁ絹。ただいま」
「!!!!!!?」
菊五郎とカブキの二人は、突然現れた卍丸に一瞬驚いた後、カブキが飛び出し、絹を庇うように卍丸の前に立ちはだかった。
「絹!何騙されてるんだよ!こいつは卍丸じゃなくて、弥陀ヶ原洞窟に居た卍くずしだろうが!!」
「ちょっ・・・カブキさん・・・」
「そうだ・・・こいつは間違いなく根の卍くずしじゃねぇか・・・俺様以外にまだ根の生き残りが居たとはな」
菊五郎もまた、絹を庇うようにカブキの隣に立つと、卍丸は困惑した顔で二人を見た。
次のページ
小説目次(100のお題)
小説総合目次
入口
目次