つまさき

(天外魔境2/カブキ×絹?)


倫敦での戦いも終わり、再び平和になった京の都にて、帰国後すぐに北座に戻ったカブキが、看板役者として頑張っていた。
そんな中、いつもの様に興行を終えると、カブキの席に、花束が置かれていた。
「お、絹が来てるのか。おい、絹は待たせてあるんだろうな?」
カブキを兄の様に慕う絹に他の女性に感じた事の無い好感を抱いているカブキは、すぐさま絹の居る裏口へと向かった。
「よぉ、待たせたな」
急いでいつもの派手な着物に着替えたカブキが声をかけると、絹は、いつもの明るい笑顔では無く、初めて会った時の様な、憂いのある横顔へと戻っていた。
「・・・どうした?おっ母さんとでも喧嘩でもしたのか?」
絹は黙って首を横に振り、付いてきたシロも、心配そうに絹を見上げるのみだった。
「・・・とりあえず、こんなところじゃ話もできねぇな、場所を変えよう」
カブキはそういうと、いつも出て行く表口では無く、人気の無い裏口からこっそりと街へ出て、居住区にある一件の料理屋へ入り、座敷を借りた。
店主はまた女を引きずり込むのかと、最初ニヤリとしたが、連れが絹とわかると、また京で異変でも起こるのかと表情を引き締め、女中へ離れへと案内する様命じた。
部屋のふすまが閉じられると、カブキと向かい合わせに座った絹は、大きな安堵の息をついた。


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