「会いに行けよ。こんなところで、グズグズしてるマリアなんて、マリアじゃねぇよ」
マリアの涙が乾くまで、カンナはその場を動かず、マリアの髪をなで続けていた。
(マリアさんって、意外にオクテだったんですね)
(キャーvカンナさん素敵すぎでーすv)
(そうだね、確かに背のバランスも良いし、絵になる二人だね)
(レニさん、論点が違ってますわよ)
(でも、ほんま絵になる二人やなぁ・・・ファンが観たら、卒倒するんやないか?)
(アイリスも、お兄ちゃんに会いたいよ・・・)
テラスのカーテンに隠れ、二人の会話を盗み聞きしていた5人はそれぞれに好き勝手な事を言っているが、カンナが来る前から、心配でこっそりとマリアを見張っていたのだ。
(どうするのかな、マリア)
(行くと言わなければ、わたくし達が日本から追い出してやりますわ)
(そうだね、アイリスの船で、皆でフランスに行っちゃおうよ♪)
(そんな事したら、またマリアさん、怒って帰っちゃいますよ?)
(支配人に相談してみればええんやない?)
(それ、ナイスアイディアでーす)
小声でそんな相談をしている間に、二人がこちらに向かってきたので、5人は慌てて、隣のサロンに飛び込んだ。
5人は2人が階段を下りていくのを確認した後、裏の階段から降りて、足音が消えたのを確認してから廊下に出ると、そこには、呆れた顔で皆を見るカンナの姿があった。
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