カブキがヘビ仙人の洞窟を出てから数日後、何故か恋の耳かきを懐に、カブキは江戸の地に居た。
「江戸の女も悪くねぇな・・・っと、今はそんな時じゃなかったな」
カブキは街を歩く女達の姿を恨めしそうに見やりつつ、オロチ丸が興行をしている劇場へと向かった。
劇場へついたカブキは、楽屋で待っていたオロチ丸と、数年ぶりの再会を果たした。
「・・・師匠の所から飛脚が来て、お前が来るのは知っていたが、飛脚より遅いと言うのはどういう事だ?」
鏡に背を向けて座ったオロチ丸の前に腰を下ろすと、オロチ丸はそう言ってカブキを静かに見つめた。
「あぁ・・・ちとヤボ用でな、こっちに来るのが遅くなっちまった」
「・・・まぁ、その事は良い。要件はなんだ」
「とぼけるなよ、ジジイから手紙来たんだろ?さっさと巻物よこしやがれ」
そう言ってカブキが手を伸ばすと、オロチ丸はその手を冷たく跳ね除けた。
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