舞鶴で船を借りたカブキは、因幡の地に立ち、唇に血がにじむほど歯を噛み締めていた。
(・・・こいつは一体)
カブキが話しかけた人間は、皆砂に飲まれていく。カブキにとって命の次に大事と言える女達が目の前から次々と消えていくのは、カブキにとって耐えられない出来事だった。
しかも、はまぐり姫に捕らえられて以降、これと言った巻物も手に入らず、国中砂嵐で外にもロクに出られない状態で、カブキは一気に路頭に迷う結果となった。
そこでふと脳裏をかすめたのは、師匠であるヘビ仙人の姿だった。
(ひょっとして、あのジジイなら・・・)
カブキはそう思い立つと、道具屋で嵐の護符を購入し、急遽尾張へと向かった
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