無防備

(サクラ大戦活動写真)


「ラチェット、あなた、物凄い勘違いしてまーす。レニは気付いてないのでは無く、気付いても気付かないふりして、また寝るでーす」
「貴女にそんな事・・・」
「ずっと一緒に居たから、そんな事位楽勝でわかりまーす♪むしろ、ラチェットの勘が鈍ったのではないでーすか?」
織姫はそう言うと、カンナの向かいに腰をかけた。
「私が・・・鈍ったですって・・・?」
「・・・レニは、体を張って私を助けてくれました・・・でも、あの時、もし私とラチェットの立場が逆でも、レニは飛び出して行ったと思いまーす。今のレニは、自分の守るべきものを見つけ、そして、自分も守られている存在だと気付いたのでーす」
「・・・私には、ただの馴れ合いにしか見えない・・・そんなのは、合理的じゃない」
ラチェットは、そう言いのこして、食堂を後にした。
マリアは、立ち上がってラチェットを追おうとした織姫の手を掴み、静かに首を横に振った。
織姫は、座りなおし、出されたコーヒーに口をつけると、小さく息をついた。
「私、花組に入って暫くの間は、ラチェットと同じ事考えていました。馴れ合いで勤まるなら、星組の方が、よっぽど優秀じゃないかと・・・でも、皆さんと付き合いを深めていく内に、どうして星組が解散に追いやられたかが、段々と解ってきました。形だけの連携じゃ、非常時にバラバラになるのは目に見えてまーす・・・レニもきっと、それに気付いたんだと思いますが、ラチェットは・・・」
「大丈夫だよ」
織姫がため息をついて視線を落とすと、カンナが優しく言った。


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