(サクラ大戦)


深夜の帝劇では、見回りを終えた大神が、舞台に立って、明日の舞台を待つセットを見上げていた。
「大神さん」
ぼんやりとセットを見上げていた大神は、掛けられた声の方向を慌てて見ると、舞台の袖からさくらが歩いてきた。
「さくらくん・・・どうしたんだい?こんな時間に・・・」
「何となく寝付けなくて・・・そしたら、自然に足が此処に向いていました。」
さくらはそう言うと、ゆっくりと大神の隣に立ち、同じようにセットを見上げた。
「そう言えば、今日じゃなかったですか?大神さんがあやめさんにお会いした日って・・・」
「あぁ。だからかな・・・見回りは終わったのに、自然と此処に来てしまったよ」
大神はそう言うと、薄明かりの下にぼんやりと浮かぶ大階段に腰を下ろした。
「・・・今日は確か、さくらさんがいつもの様に転んでセットをぶち壊した日でしたわね?」
「!・・・すみれさん!」
「あの時は大事になったけど、怪我人が一人も出なかったのは幸いだったわね」
「マリア・・・」
「へー、お兄ちゃん、ここであやめお姉ちゃんに会ったんだ」
「ほー、それは初耳やなぁ」
「本当だな、ちーっとも知らなかったぜ」
「皆・・・」
気が付くと、あやめが指揮していた頃のメンバーが揃い、皆、大神と同じ様に、階段に腰を掛けた。
「なぁ、さくらはんは大神はんとあやめはんの馴れ初めを知ってるみたいやな?うちらにも聞かせてぇな」
紅蘭が好奇心満々と言った表情でさくらを見ると、さくらは恥ずかしそうに、当時の出来事を正直に話し始めた。


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