妹みこし・絹 |
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「こんにちはー」
伊賀に住む百地三太夫の末妹のみこしが、大江山に住む絹を訪ねたのは、秋も深まったある晴れた日の事だった。
「あら、みこしさんいらっしゃい」
訪ねて来たみこしを明るく出迎えたのは、両親と共にこの山に住む火の勇者、絹である。
「・・・あら、今日はみこしさんひとり?」
ヨミとの闘いが終わったのち、女の子同士と言う事で仲良くなった三姉妹と絹は、互いの家を行き来する間柄となった。
ところがいつもは三人で仲良く遊びに来るのに、今日はみこし一人だったのが、絹には気がかりだった。
「実は・・・」
絹は訳を話したがらないみこしを中へ通しお茶を出した所で、バツが悪そうな顔で口を開き始めた。
「実はまつり姉ちゃんが、最後に絹さんの所へ遊びに来た後から、急に姿をくらましてしまって・・・」
「まつりさんが?・・・もしかしてあのカブキさんの手紙の事で?」
「えぇ、だから花火姉ちゃんは心配いらないって言うんだけど、私やっぱり気になって、もしかしたらカブキさんの事を絹さんに聞きに来てないかと思ったんですが・・・」
みこしが溜息交じりに言うと、絹は驚いた顔でみこしを見た。
「え?まつりさんて、卍丸の事が・・・」
「えぇ、最初は卍丸さんの事が好きだったみたいなんですけど、カブキさんが私達の事の事で本気で怒っていたと絹さんに聞いてから、急に心変わりしたみたいで・・・まつり姉ちゃん惚れっぽいから・・・」
そう言って深い溜息をついたみこしを見て、絹は溜まらずに吹きだしてしまった。
「絹さん?・・・私変な事言いました?」
キョトンとして絹を見るみこしを見て、絹は更にコロコロと笑い声をあげた。
「ごめんなさい。・・・でも、何だかみこしさんがまつりさんのお姉さんみたいに見えて可笑しかったものだから・・・」
絹が笑いながら言うと、みこしはびっくりした顔で絹を見た。
「・・・でも、本当はみこしさんも心配はしてないんでしょ?」
涙を拭きながらみこしに話し掛けた絹を見て、みこしは小さく頷いた。
「信じてるのね、お姉さん達の事。」
「はい」
そんなみこしを少し羨ましく思いながら話をしていると、絹の母親である綾が、一通の手紙を持って絹の元へとやって来た。
「あら・・・カブキさんからだわ」
まつりの事が書かれているかもしれないと、みこしの目の前で手紙を開けると、そこには思いっきり絹の気持ちを誤解した内容の手紙と、まつりらしい忍者が京に来ているらしいと言う内容だった。
「やっぱりカブキさんの所だったんだ・・・」
みこしはそう言って溜息をついた後、不意に立ち上がった。
「私これからまつり姉ちゃんの所へ寄ってから伊賀へ帰ります。本当にご心配お掛けしました。」
みこしはそう言って頭を下げると、そそくさと大江山を後にした。
見送りに外へ出た絹は、隣のシロに話し掛けた。
「やっぱりみこしさんが、一番お姉さんみたいよね?シロ?」
―終わり―
■あとがき■
お待たせしました。
天外では、今回初めて女の子だけのお話を書きましたが、どうだったでしょうか?
絹かみこしの話でとのリクエストを頂いた時は、最初みこしだけの話にしようと思いましたが、何となく第三者から見たみこしが書きたくなったので、絹の目線から見たみこしを書いてみました。
実際には私の目線なんですが、みこしって、三人の中で一番冷静に卍丸達のサポートをしていた様に感じたので、こんな話になりました。
では、こんな物で宜しければ、お受け取り頂ければ幸いです。