好きだから(スモーカー×エース) |
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洋上のスモーカーの船では、数人の海兵が繋がれた縄の先を見ていた。
「大佐のバイクに、縄ついてないか?」
「あぁ、誰か潜入でもしたか?」
「いや、むしろ大佐が拿捕でもしたんじゃないか?」
「そうだな・・・まぁ、どのみち海の上だ、大佐にかかっては逃げ場もなかろう」
海兵達はそう言うと、何事も無かった様に仕事へと戻って行った。
同じ頃、船内では、たしぎが大型のトレーを持ち、おぼつかない足取りで廊下を歩いていた。
トレーの中身は一人前の食事。どうやらスモーカーの食事らしい。
いつもは食堂の人間が運ぶのだが、人手不足な忙しさを見かねたたしぎが運ぶ役を買って出たまでは良かったまでは良かったが、このトレーが意外に重かった為、フラフラとした足取りになる。
そこへ、通りかかった海兵が寄ってきて、たしぎのトレーを掴んだ。
「それは大佐のお食事ですか?では、自分が・・・」
「あ、ありがとうございます。では、お願いしますね。
あぁ・・・良かった・・・いつ転ぶんじゃないかと、自分でも不安だったんです」
たしぎは、トレーを素直に渡すと、ホッとした顔で部屋へと戻っていった。どうやら、自分のそそっかしさは自覚しているらしい。
トレーを受け取った海兵が、不敵な笑みを浮かべたのにも気付かず、たしぎは自室に戻ると、新たに押収した名刀を眺めるのに没頭した。
海兵は、慣れた足取りでスモーカーの名の書かれた、重厚なドアの前に立ち、ドアをノックした。
「大佐、お食事をお持ちしました」
「・・・入れ」
不機嫌そうな声と共に、ドアの鍵の開く音が聞こえた。
海兵が扉を開けると、目の前には煙で霞んだ室内に、大きくて重厚な造りの机と、応接セットが置いてあった。どうやらここは執務室らしい。
スモーカーは入ってきた海兵を一瞥すると、一瞬驚き、煙と化した腕を伸ばし、閉じたドアに鍵をかけた。
「・・・何しに来た、エース」
スモーカーはトレーをテーブルに置き、物も言わずに食べ始めた海兵姿のエースを見て、呆れ顔で問いただした。
「んー?会いたかったから来た」
あまりにも素直な答えに、スモーカーの頬が少し赤らむと、エースの口元が、ニヤリとゆがんだ。
「この格好、なかなか似合うと思わねぇ?」
食事の手を止めて立ち上がると、スモーカーの元へと向かい、目の前に立った。
「そのまま海軍に入隊したらどうだ?」
「はは・・・冗談だろ?俺は海賊が好きで・・・あんたの事も好きなんだ。だから、こうして会いに来た・・・それじゃ、理由にならないか?」
エースがそう言ってスモーカーの顔を見ると、スモーカーは、静かにエースの顔を見た。
「バレたら、どうするつもりだったんだ・・・」
「一目見て、逃げるかな・・・ははは」
顔を見つめたまま苦笑するエースを、スモーカーはきつく抱きしめた。
「心配かけるな・・・」
「あぁ・・・でも、好きだから・・・」
「エース・・・」
「スモーカー・・・あ、飯途中だった」
スモーカーの手がエースの頬を撫で、二人の唇が重なろうとしたその時、エースはくるりと背を向け、再びテーブルについた。
「ん?そんなとこで何ずっこけてんだ?」
「て・・・てめぇ・・・」
そんなスモーカーを見て、エースはにっこりと微笑んだ。
「一人前しか無いんだ、半分づつ食おうぜ?」
エースはそういうと、苦笑しながら隣に座ったスモーカーと、残った食事を食べ始めた。
−END−
■あとがき■
えー、これは事情があって、暫く書いただけで放置しておいた作品でございます。
今回はエースに海兵の服を着せたいと言う邪な発想だけで書いたので、文面がかなり怪しいですが、喜んでいただければ幸いです。