Fire Works

(ゾロ×ルフィ)


「やっほー!着いたぞー!!」
遠くから見える町並みを見て、到着前から浴衣を着せてもらっていたルフィは、喜びを露わにして、甲板を飛び跳ねていた。
「おい、そんなに動くと、着崩れるぞ?」
そんなルフィを呆れた顔で見ているのは、浴衣をすっきりと着こなしているゾロ。
「えー!崩れたら、お前が直してくれるから良いじゃんか」
「・・・それは俺について来いって意味か?」
「当たり前だろ?さぁ、花火が始まる前に行こうぜー!!」
そう言うと、ルフィはナミから小遣いをもらって、ゾロと共に着いたばかりの街へと飛び出して行った。
「いやー、祭りなんて久しぶりだよなー」
行く先々で食べ物を買い漁りながら進むルフィの隣を歩いて行くと、不意に人気の無い場所へと出た。
「あれ?ここ何所だ?」
「解らねぇ・・・とりあえず街に戻らないとな」
そう言いながら正反対の方向へ進んで行くと、何時の間にか二人は高台の上へと出ていた。
「あれ?高いところへ出ちまったな」
「あぁ・・・何故だ?」
ゾロが冷汗をかくのとほぼ同時に、大きな音と同時に、夜空に大輪の華が咲いた。
「おぉ!すげー!!ゾロぉ、ここで花火見てから下におりようぜ?」
ルフィが子供の様な甘えた声を出すと、ゾロは唾を飲み込みつつ、黙って頷いた。
「しっかしさ、誰も居ないんだな此処。こんなに眺めが良いのに・・・」
迷っている間に倒した野獣の事を全く忘れた様子で夜空を眺めているルフィを見て、ゾロは心の中で野獣に感謝しつつ、ルフィの隣に腰を下ろした。
ゾロがそろそろとルフィの肩に手を掛けようとしたその時、不意にルフィがゾロの肩にもたれ掛かってきた。
「!・・・おい・・・」
「・・・俺さ、こうしてゾロと二人だけで花火見るのに凄い憧れてたんだ・・・だから今、こうして二人っきりになれて、すっげぇ嬉しいんだ」
そう言ってルフィはゾロの顔を見ると、ルフィの視線の先には、真っ赤になってルフィを見るゾロの顔が見えた。
「こういうのって、変かな?」
「・・・いや、良いと思う」
「そっか・・・」
そう言って寄りかかったまま花火を見ていたルフィの頭がずれて、ゾロの膝の上に乗っかった時には、既に花火は終了していた。
「・・・一緒に・・・か」
ゾロは、膝の上で静かに寝息を立て始めたルフィの額にそっとキスをすると、買いこんで来た酒を、ゆっくりと飲み始めた。

ふたりの物語は、まだ始まったばかり・・・

―おしまい―

■あとがき■
あー、まずは、携帯サイト開設おめでとう御座います♪
あーんど、相互リンクありがとですー☆
さてさて、今回のお話ですが、今回は
「まったり風味のゾロル」
を目指してみました。
普段書かないですが、ゾロルは密かに好きなので、かなり楽しんで書かせていただきました。
あと、タイトルの
「Fire Works」
ですが、日本語で花火を意味します。
花火にしようと思ったんですけど、100のお題のタイトルと被ってしまうので、急遽英語に変更したと言う次第です。
しかし、花火に浴衣に恋人・・・我ながら恥ずかしい位青春してますね(^^ゞ




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