当たって砕けろ!!

(スモーカー×ゾロ)


内紛が沈静化し、静けさを取り戻した真夜中のアルバーナで、ゾロはいつもの様に道に迷っていた。

「・・・此処でもねぇな・・・あれ?」
辺りを見回しながら歩いていると、不意に背後から声が掛かった。
「おい」
「あぁ?・・・・げっ!?」
背後には、ルフィの海賊団の天敵であるスモーカーが立っていた。
「やべぇ!!」
ゾロが慌てて逃げようとすると、既にスモーカーに左腕を掴まれていた。
「な!?・・・しまった!!」
ゾロが焦って振り返ると、スモーカーの口から意外な言葉が発せられた。
「・・・この国の英雄に一杯おごってやる。黙って付いて来い」
スモーカーの言葉に呆然としながらも、ゾロは引き寄せられる様にスモーカーの後ろの付いて行った。

スモーカーは、町外れの酒場に入ると、酒を大量に買い込んで、今度は港に向かって歩き出した。
「・・・此処で良いな」
ゾロが周りを見回すと、其処は人気の無い港の倉庫街で、後ろには宮殿が近くに見えた。
「・・・此処からなら、一人で帰れるだろ」
「!!・・・ガキ扱いすんな!!」
ゾロは、波止場のコンテナの上に座り込んで酒を飲み始めたスモーカーを睨みつけたが、スモーカーはそんな事は気にも止めぬ様子で、一人で酒を煽っていた。
「・・・ちっ、俺にもよこせ!!」
ゾロはそう言ってコンテナに飛び乗ると、スモーカーの隣に置いてある酒瓶を一本手に取って、飲み始めた。
「・・・なぁ、何で俺達を追ったんだ?」
二人は並んで座ったまま、暫く黙って飲んでいたが、不意にゾロがポツリと呟いた。
「お前らが逃げたからだろ?」
「・・・それだけかよ」
スモーカーの返事に対して、ゾロはスモーカーの顔をマジマジと見た。
「どう言う意味だ」
「言った通りさ。・・・あんた、ルフィに惚れてんじゃねぇのか?」
その言葉に、二人は向かい合う形で睨みあった。
「・・・処刑台で笑った男を見たのは、あいつで二人目だった・・・」
そう言うと、スモーカーはゾロに、幼い頃に見た海賊王の最期の話を始めた。
「・・・じゃあ、ルフィが海賊王になると睨んで追ってきたのか?」
「まぁ、そんな所だな・・・だが、何でお前にこんな話をしちまったんだろうな」
スモーカーは、酒を少し飲んだ後、自潮気味に笑った。
「・・・それ聞いて、少し安心した」
その言葉にスモーカーが驚いてゾロを見ると、いきなりゾロが寄りかかってきた。
「!?・・・何のつもりだ」
「少し酔っちまったみてぇだ・・・肩貸してくれよ」
「・・・」
スモーカーの肩に寄りかかったまま、ゾロは酒を飲みつつ、スモーカーに話し掛けた。
「なぁ、聞かせてくれよ。あんたの子供の頃の話・・・」
面と向かって話をするのは初めての筈なのに、ずっと前から一緒に居る様な感覚に捕らわれたスモーカーは、言われるままに子供の頃の話を始め、ゾロは、スモーカーの肩に身を預けたまま、黙って聞いていた。
「・・・こんな所だ」
スモーカーの話が終わると、ゾロは倒れる様にスモーカーの膝へと頭を乗せた。
「おい、いい加減にしろよ・・・」
スモーカーが怒りを顕わにするにも関わらず、今度はゾロが口を開いた。
「・・・あんた、俺がどうして海賊になったか知りたくねぇか?」
「・・・話してみろ」
スモーカーは、ずらしかけた足を止め、ゾロの話に耳を傾けた。
ゾロは幼き日の親友との別れ。ルフィとの出会いなどを語ると、スモーカーは、黙ったまま葉巻を燻らせていた。

「お前がたしぎを嫌うのは、そんな理由があったのか・・・」
全てを聞き終えたスモーカーは、ゾロとたしぎの確執の原因を理解すると、ぼんやりと海を見詰めた。
「・・・さっき俺が話した事は、他の奴らには話すなよ」
「二人だけの秘密って訳か・・・悪くねぇな・・・でも、どうするかな?」
スモーカーの言葉に、曖昧な返事を返したゾロは、起き上がってスモーカーを見た。
「一言でも話したら殺すぞ」
「あぁ、そうだろうな」
ゾロは、スモーカーの脅しに素直に頷くと、急に真顔になった。
「だったら、俺も秘密を教えてやるよ。・・・俺、あんたの事が・・・好き・・・」
そう言いかけた唇を、突然スモーカーに唇で塞がれた。
「!!・・・スモーカー・・・」
唇が離れた直後、驚きで目を丸くするゾロは、いきなりスモーカーに抱き締められた。
「・・・俺も同じ気持ちだ・・・」
突然の告白にゾロは驚き、完全に硬直した体は、瞬き一つ出来ない程だった。
「これは、本当に二人だけの秘密だ。・・・良いな?」
その言葉に、顔を上げたゾロが黙って頷くと、二人は誓いの口づけを再び交わした。

■終わり■


■あとがき■
終わった!!
何だか今回は、異常に苦労した気がします。
気持ちが焦っていたせいか、なかなかタイトルが思いつかず、最初に考えたタイトルがピンとこなくて結局タイトル変えて、内容的にも当初の予定と微妙に変わっていたりして(苦笑)

今回は初心に帰って、二人のきっかけ物にしようと書き始めたんですが、何だか最初から妙にラブラブなんですね、この二人(汗)
で、文中に子供の話が出てきますが、人って言うのは、心を許した人にしか、子供時代の話をしないと言う話を思い出したので、ネタにしてみました。
最近怪しい小説しか書いてないせいか、久々に健全書いて、妙に疲れてしまいました。
こんな物で宜しければ、のし付きで差し上げますので、貰って頂戴!!




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