好きだなんて言わせない

(ロビン×クロコダイル)


ウイスキーピークでの騒動の時、ロビンはクロコダイルに何も言わずにアラバスタを後にしていた。
3日前、ロビンはクロコダイルと些細な事で喧嘩をし、ヤケを起こしたロビンは腹いせでもするかの様にイガラムの船を破壊し、ビビ達を挑発した。

(・・・つまらない)
ロビンは苛立っていた。
(・・・)
このまま姿を消してしまおうとも考えたが、ポーネグリフ・・・そして何よりクロコダイルの事が気になって一度アラバスタに戻る事にした。
だが、そのまま戻るのも何だか癪に障るので、スパイダーズ・カフェに寄って行こうと進路を変えた。

「あら、いらっしゃい。・・・あら?」
カフェの女主人ポーラは、珍しい物でも見た様にロビンを見た。
「何?」
ロビンが苛立たしげにポーラを見ると、ポーラはニッコリと微笑んだ。
「恋人と喧嘩でもしたの?」
「恋人?そんなんじゃないわよ」
ロビンはカウンターに座ると出されたブランデーを手にして溜息をついた。
「・・・何で私ってこうなのかしら・・・」
ロビンはブランデーを一気に飲み干し、空のグラスを乱暴に置いた。
「言うだけならただよ?」
ポーラの一言に、ロビンは喧嘩の原因を少しづつ語りだした。
「・・・成程ね」
話を聞き終えたポーラは、納得した様に頷いた。
「ところで、貴女の彼氏が此処のところ毎日うちの店に来るのはどうしてかしらね?」
その言葉にロビンはハッとした様に顔を上げた。
「何しに来てるの?」
「さぁ?来るといつも店内を見回して、捜してる人が居ない事を確認すると、ガッカリして帰って行くのよね」
「・・・」
「そろそろ意地張ってないで帰ってあげたら?」
ロビンの瞳にいつもの輝きが戻ったその時、店のドアが開いた。
「・・・帰ってきたか」
その一言を待ちわびた様にゆっくりと振り返ると、憔悴しきったクロコダイルの姿があった。
「男前が台無しね」
「お前が居ないと色々と困る物でな」
その一言にムッとしたロビンの肩をポーラがそっと叩いてウインクした。
ロビンは照れ臭そうに頷いた後、勘定を置いてクロコダイルと共に店を後にした。

「・・・色々って言うのはどう言う意味なのかしら?」
帰りの車の中で、ロビンは向かいに座ったクロコダイルに質問した。
「お前を失えばプルトンが手に入らなくなる・・・」
「・・・また3日前と同じ事をしてほしいみたいね」
ロビンはそう言ってクロコダイルを睨みつけたその時、ロビンは強引に腕を引き寄せられて、唇を奪われた。
「解かっているだろうが・・・」
「女はいつだって声に出してもらいたいものよ」
「・・・す・・・」
言いかけた唇を、今度はロビンが塞いだ。

「好きだなんて、軽い言葉で済ませないでね」

ロビンはクロコダイルの膝の上で、その太い首に腕を回した。
「・・・愛している」
「良く出来ました」
ロビンはニッコリと笑うと、再びクロコダイルと一つになった。

―おしまい―


■あとがき■
終わりましたが・・・甘すぎましたか?
今、大好きなバンドのライブビデオ見ながらこれ書いているもんですから、どうしても甘くなってしまいます(何故)
私のニコクロ論って言うのは、ぶっちゃけ母子関係に近いんじゃないかなってのがありますね。
クロコダイルがいくら偉そうな事言っても結局ロビンには勝てないみたいな・・・。
こんな物で宜しいですか?
ではのし付きで捧げさせて下さい。
これからも仲良くして下さいねー♪
(何か偉そうですいません)




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