−疑問符−

(ルフィ×ナミ)


「ナミ、起きてるか?」
 見張り台で夜通しの見張りをしているナミに小声で声を掛けてきたのはルフィだった。
「どうしたの?こんな時間に」
 うとうとしていたナミは、眠そうな顔でルフィを見た。
「あぁ、腹減って目が覚めたら寒かったから毛布がもう一枚いるかなと思ってさ」
 そう言って見張り台に登ってきたルフィの右手には毛布が握られていた。
「ありがとう」
言われてみると確かに少し肌寒かった。
「・・・あんたも何か着なさいよ」
 寒いと言いながらいつもの格好をしているルフィを見てナミは呆れた。
「お・・・俺はいいよ、風邪ひいた事ねぇからな」
 口ではそう言いつつ体はかなり寒そうだった。
「・・・ほら、早く入りなさいよ」
 ナミは毛布を広げてルフィを隣に座らせた。
「全く・・・、こんなに体が冷えちゃってるじゃないの」
 2人で一枚の被るかたちになり、ルフィの体温が直に伝わってくる。
「悪ぃ」
 隣に座ったルフィはしょんぼりと頭を下げた。
「なに今日は、随分しおらしいじゃない」
「・・・」
 ルフィは黙ったまま下を向いている
「・・・ルフィ?」
 横を見るとふいにルフィが口を開いた。
「なぁ、お前どうしてこの船に戻ってきたんだ?」
「え?」
「ココヤシ村で出航の準備をしていた時にウソップが
『ナミは残るかもな』
って言ったんだ。俺、その時は何とも思わなかったけどさ、考えてみればお前なら海賊やらなくたって大型の商船や、あの頃なら海軍に入れただろ?金の大好きなお前がなんでこんな貧乏海賊に残ったのかが俺は不思議でしょうがねぇんだ」
 その言葉を聞いたナミは嬉しそうに笑った。
「なんだよ、笑う事ねぇだろ!」
 馬鹿にされたと思ったルフィは口を尖らせた。
「・・・そうよねぇ、私ぐらいの美人の天才航海士なら、きっと何処へ行っても雇ってくれるでしょうね」
「・・・」
「でもね、本当に私を必要としてくれるのはきっとこの船だけでしょうね。」
「・・・ナミ」
 ふいに2人の視線がぶつかった。
「・・・船だけじゃない」
「・・・え?」
「俺はお前じゃないと嫌なんだ」
 そう言った直後、ルフィはナミの唇を奪った。
「ルフィ・・」
 驚くナミの顔を見てルフィは笑った。
「ししし、とうとうやったぞ!」
「あんた、こんな事したからには一生面倒見てもらうからね。」
「あぁ」
「早くワンピース見つけないと浮気するわよ?」
「あぁ、困るけどいいぞ」
 2人のやりとりが延々と続く中、船は次の目的地へと進んでゆく  −END−


■あとがき■
 はぁー、甘甘は慣れていないので難しかったです。(好きだけどね)
 希雷ちゃん喜んでくれればいいけど。




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