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迷路(天外魔境2) |
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「・・・?」
ここは石見の国の黄昏洞。
入るとすぐに目に入った鉄格子に首を傾げながら卍丸達が奥へと進んで行くと、真っ暗な洞窟の中に幾つかのたいまつが掲げられ、中は思っていたよりずっと明るかった。
「足場もかなり整備されてる・・・足下兄弟がやってくれたのかな・・・」
薄暗い足元を確認しながら進むと、目の前に大きな池が広がった。
「あちこち分かれてるみたいだな・・・まるで迷路だ・・・」
「足下の野郎、どうせ道案内するなら、最後までやってくれても良いじゃねぇかなぁ」
極楽と卍丸はブツブツ良いながら歩いていると、突然絹が足を止めた。
「ん?どうした絹」
「この近くに宝があるわ」
「おぉ!それはありがたい。探索ついでに頂いて行こうぜ」
極楽はのんきにそう言うと、絹の指し示した方向へ歩いて行き、その後3人は、絹の感じる宝のありかを追いつつ、歩を進めて行った。
途中何度かもののけに襲われたが、不思議な事に、その殆どが卍丸達を襲うより、卍丸達の懐を狙う泥棒の様な動きを見せたのだった。
「・・・ここの奴ら、根の一族じゃないのかな?」
「いや、根と手を組んだとしたら・・・?」
「・・・考えない事にしよう」
卍丸は、脳裏に一瞬よぎった足下兄弟の顔を振り払う様に首を振ると、再び薄暗い洞窟を歩き出した。
暫く歩くと、先に明かりが見え、急いで出てみると、先程東側に見えた足下村が、西の方角に見えた。
「おや?反対側に出た様だのう」
「うん、折角だし、また足下村で泊めてもらおうか、絹も疲れただろうし・・・」
「そうだな、日も暮れてきたし、今日はここまでにしよう」
そう言って3人は村に入ると、再び足下の見慣れた顔を現れた。
「こちらの宿代は、1両と999両になりやす」
「なにー!?」
3人はあまりの金額に唖然としながらも、しぶしぶ1000両を支払って、その日は足下村にて一晩を過ごした。
そして次の日。
朝早く旅立った3人は、また懐を狙うもののけ達と戦いつつ、明かりの漏れる階段を発見した。
「出口・・・かな?」
「・・・だと良いがな」
先程から何度となく同じ所へ戻ってしまった卍丸達は、半ば諦め顔で階段を上がると、見覚えのある鉄格子と、見慣れぬ看板。
『またのお越しをお待ちしております。 足下村観光協会』
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「あ・・・足下の野郎!!」
3人の怒りに満ちた叫びは、洞窟中に響き渡ったという
―終わり―
■あとがき■
ふぅ♪
今回何だかプレイレポートみたいになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?
本当は六日市村で落ちにしようかと思ったんですが、あの看板があまりにも印象に残ったので、ここで落ちにしました(^^ゞ
今回は結構楽しんで書けたので、同じ様に楽しんでいただければ幸いです。