後ろめたさ(ワンピース/エース×たしぎ) |
トップページ 利用規約 メニュー |
灼熱のアラバスタの街でスモーカーと再会した俺は、ルフィの逃がした後、ルフィを追いかける為に裏通りを走っていた。
一旦ルフィ達とは反対方向に逃げ、完全に撒いた所で、引き返す為に路地裏の建物の角を曲がると同時に、俺は何か柔らかい物にぶつかった。
「きゃっ!」
「あ・・・すいません」
俺は足元に転がってきた眼鏡を拾い上げると、尻餅をついた女性に差し出した。
「あ、有り難う御座います」
そう言って顔を上げた女性を見た瞬間、俺は心臓が止まりそうになった。
その後、心臓の音が外に聞こえそうな位高鳴り、顔がみるみる赤くなってくるのに、彼女から目を離す事が出来なかった。
「あの・・・」
彼女の一言で我に返って彼女を改めて見ると、彼女もまた、頬を赤くして俺を見つめていた。
「あ・・・ありがとう御座いました・・・」
彼女は眼鏡を受け取ると、立ち上がった後で、深く俺に頭を下げてきた。
「あ・・・いや、俺こそ失礼しました。」
俺も帽子を外して頭を下げ、頭を上げる瞬間、また目が合って、動けなくなってしまった。
「・・・え・・・あ・・・」
何か言いたい筈なのに、上手く声に出来ない。こんな事は生まれて初めてだ。
彼女は視線を反らして頭を上げた後、赤くなって視線を反らしたまま、俺に質問をしてきた。
「あの・・・この辺りで、麦わら帽子を被った少年に会いませんでしたか?」
!・・・この人は、何故ルフィを知っている・・・
そんな思いが一瞬頭をかすめたが、俺はそれを悟られない様に、首を横に振った。
そんな中、通りの方から、誰かを捜す声が聞こえてきた。
「曹長ー!!たしぎ曹長ー!!」
その声に反応したのは、意外にも彼女だった。
「あ、はい!ここです!」
今、他の海兵に見つかれば、俺の正体がバレてしまう・・・。
俺は、後ろ髪を引かれる思いを抱えながらも、彼女に別れを告げて、その場を後にした。
暫くして、アラバスタの内乱が終結し、俺はルフィ達と共にトレジャーアイランドと呼ばれる孤島に居た。
そして、もう会う事も無いだろうと思っていた人に再会した。
「あ・・・」
彼女は既に俺の正体を知っていたらしく、一瞬驚いた後、悲しそうに目を反らした。
その瞬間、俺は絶望の淵に立たされた様な気がして、その場に立っているのがやっとだった。
その後、ゾロと彼女の関係を知り、それ以降、奴とコンビを組む事が出来なくなった。
俺には視線を向けようとしないのに、奴には真っ直ぐにぶつかっていく・・・
俺にはそんな光景を見るのが堪らなかった。
そんな中、偶然にも俺と彼女が偶然ペアになった。
「あ・・・」
「・・・やぁ」
俺はいつの間にか、彼女と視線を合わせる事が出来なくなっていた。
夜になり、俺たちは一緒に食事をした後、港へと来ていた。
「・・・貴方が火拳のエースだったなんて・・・」
彼女は悲しそうな顔で俺を見た。
・・・その大きな瞳には、一粒の涙・・・
「出来る物なら・・・知りたくは無かったです・・・」
俺は、何時の間にか彼女を抱き締めていた。
「貴方が・・・麦わらの・・・うぅ・・・」
俺の腕の中で、彼女の肩が震えていた。
「すまない・・・」
俺は、自分の苦しさを誤魔化す様に、彼女をきつく抱き締めた。
彼女の涙が俺の胸を伝う・・・それと同時に俺の胸の鼓動が高鳴って行く・・・
このまま二人で逃げてしまおうか・・・
そんな考えが頭をよぎったが、そんな事をすれば、彼女の夢が壊れてしまう・・・・。
「すまない・・・」
俺はそう言って彼女の体を開放しようとしたその時、いきなり首を掴まれたと思った次の瞬間、唇に暖かな物が触れた。
「・・・ごめんなさい・・・どうしても、我慢出来ませんでした・・・」
涙で潤んだままで俺の目を見つめる彼女に、今度は俺の方から唇を重ねた。
翌日、二人は上司であるスモーカーと、実弟であるルフィに対して目が合わせられなかった。
それは、二人の後ろめたさの表れ・・・
―終わり―
■あとがき■
はぁ・・・100題は本当に久々の更新になってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
今回は、ちょっと大人なエーたしを書いてみました。
本当はもっと抑えた内容にするつもりだったんですが、二人共大人なので、問題無しって事で(笑)
このカップリングは、もしかしたら世界初かもしれませんが、まだまだこれからも、世界初(かもしれない)を増やして行きたいと思います。