迷子(ワンピース/たしぎ×ゾロ) |
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「・・・一体ここは何所なんだ・・・」
夕暮れのジャングルで、真っ青な顔で彷徨っているのは、言わずと知れたロロノア・ゾロ。
たまたま立ち寄ったこの島で、例によって迷子になっているのである。
「大佐ー、軍曹さーん・・・」
これまた真っ青な顔でジャングルをうろうろしているのは、これまた方向音痴で有名なたしぎ曹長である。
こんな二人が、ジャングルの片隅でバッタリと出くわす所から、物語は始まる。
「げっ!パクリ女!?」
「!!・・・ロロノア!」
たしぎは、ゾロを見た瞬間に間合いをとって刀を構えたが、すぐさま刀から手を離した。
「・・・どうした?熱でもあるのか?」
また襲われると警戒したゾロが拍子抜けして声を掛けると、たしぎは黙って首を横に振った。
「恥ずかしい話ですが、迷子になっていまして、今貴方を捕らえた所で、何所へ連行して良いのか解らないのです。」
たしぎが悔しさを搾り出す様に言うと、ゾロは唖然としてたしぎを見た。
「・・・お前も迷子かよ」
その一言に、たしぎはハッとした顔をゾロへと向けた。
「まさか・・・貴方も道に迷ったんですか?」
二人は互いの顔をマジマジと見た後、かっくりと首を落とした。
「とにかく此処に居ても仕方ありませんね、近くに洞穴がありましたから、そこに行きましょう。」
たしぎはそう言うと、ゾロに拒否する間も与えずに、洞穴へと引っ張って行った。
「ふぅ・・・とりあえず此処で朝まで待って、朝になってから探索を再開しましょう。」
たしぎはそう言って振り返ると、ゾロはむっとしたままでたしぎを見ていた。
「どういうつもりだ?」
「何がですか?」
「俺をこんな所に引きずり込んで何するつもりだって聞いてるんだ!」
真っ赤になって怒鳴るゾロを、たしぎは冷ややかな目で見つめた。
「困った人を見捨てるなんて教育は、受けていませんから。」
たしぎはそう言うと、一人で外へと出て行った。
「おい待てよ!一体何所へ・・・!?」
ゾロが慌てて後を追いかけると、其処には川と果物のなった木が生い茂る場所があった。
「万一遭難した時の為に場所は覚えておいたんです。ここなら一晩くらい平気ですよ」
「・・・まさか、お前年中遭難しているのか?随分慣れているみたいだが・・・」
「・・・バレました?」
悪びれもせずにそう答えたたしぎを見て、ゾロは今までに感じた事の無いときめきを感じて、ふと視線を反らした。
「お・・・俺、飯用意するから、焚き木になる物を拾っておいてくれよ」
「あ、はい」
たしぎは素直に返事をすると、そのまま焚き木を拾いに出かけた。
日が暮れてから、互いに洞穴に戻ると、ゾロはハッとした顔になった。
「火・・・まずいな・・・」
するとたしぎがズボンのポケットからライターを取り出して、あっさりと火を点けたのだった。
「お前、煙草吸うのか?」
「いえ、これは大佐のライターです。たまに船に置き忘れて大騒ぎになるので、いつも持っているんですよ。」
その言葉を聞いた途端、ゾロの表情が急に険しくなった。
「・・・やっぱりお前、あいつと・・・」
その一言に、今度はたしぎの表情が険しくなった。
「じゃあ貴方は、船の女性たちとそういう関係にあるんですか?」
「ば・・・バカ言え!あいつらはただの仲間だ!」
「・・・だったら何故、私にそう言う疑いを掛けるんですか?」
「・・・そ・・・それは・・・」
ゾロが真っ赤になって視線を反らすと、たしぎは隣に席を移した。
「じゃあ、何故そんなにムッとした顔で大佐との関係を疑ったのですか?」
「そ・・・それは・・・」
「私は貴方が好き・・・初めて会った時からずっと気持ちは変わりませんでした。・・・貴方が海賊狩りのゾロを知った時は本気で逮捕するつもりだった。今でも逮捕したいと言う気持ちは変わらないの・・・でも、でも・・・」
そう言うと、たしぎはゾロに抱きついた。
「た・・・たしぎ・・・」
「やっと・・・名前で呼んでくれたのね・・・ゾロ・・・」
「俺は、お前が追い続ける限り逃げ続ける。・・・それでも良いのか?」
「えぇ・・・愛してるわ」
「俺も・・・」
二人の影が重なり、そのまま夜はふけて行った。
翌日の朝早く、二人は川を下って海まで出ると、二人は正反対の方向へと歩き出し、自分を探しに来た仲間達と、無事合流出来た。
「ゾロ、昨日は何所に居たんだ?」
船に戻るとすぐに眠ってしまったゾロに、ルフィが近寄って声を掛けると、ゾロは返事もせずに横を向いてしまった。
「寝ないで俺たちを探してたのか?ゾロらしいな、はははははは!」
勘違いをして、高らかに笑うルフィの声を耳にしながら、ゾロは深い眠りへと入って行った。
―終わり―
■あとがき■
えー・・・
今回の話は、ちょーっと大人向けに書きすぎたかなぁと思いつつ、そのままアップしてしまいました。
どうも私がたしちゃんを描くと、妙に大人な女性にしてしまいますね(^^ゞ
まぁ、たしちゃん大人だし、これ位ならだいじょうぶかな?とも思ってます(滝汗/こればっか)
あと、タイトルの
「迷子」
これは100のお題を初めて目にした時からゾロの話にしようと決めていましたが、たしゾロに決定したのは、ここ数日の話です(爆)