境界線(ワンピース/スモーカー×ルフィ) |
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空島から無事戻ってきたルフィ一行が、とある島の街中を散策していると、通りの反対側に見慣れた人影を発見した。
「げっ!」
「あれは・・・」
「まさか・・・」
「けむりーん!」
皆が口々にそう言い、逃げようとしたその時、ルフィだけが目を輝かせて足を前へと踏み出した。
「バカ!よせっ!!」
ゾロがそう叫んで手を伸ばした瞬間、既にルフィはスモーカーに向かって駆け出して行った。
「!?麦わら!?・・・うわっ!!」
ルフィを発見した途端、両肩をいきなり掴まれたと思った途端にルフィに抱き付かれ、勢いが付いた二人は、そのまま路地へと転がり込んだ。
「・・・痛っ」
したたかに頭を打ち付けたスモーカーが頭を押さえながら半身を起こすと、膝の上ではルフィが目を回していた。
「麦わら・・・こいつ一体・・・」
スモーカーが呆れて動けずにいると、ルフィは目を覚まし、それと同時に再びスモーカーに抱きついた。
「けーむりーん、会いたかったー」
その一言に、一瞬訳の解らない顔でルフィを見たスモーカーだったが、次の瞬間には、ルフィの首根っこをむんずと掴んでいた。
「俺に会いたかっただぁ?自首する気にでもなったか?ん?麦わら・・・」
ルフィは猫の様に摘み上げられると、今度はスモーカーの腕にしがみついた。
「そんなんじゃねぇよ、おめぇに会いたかったって言ってるだろうが、バーカ」
ルフィはそう言うと、摘まれた手を振り解いて、スモーカーに再び抱きついた。
「おぃ・・・何のつもりだ・・・」
「俺、空島に行ってる間、何か物足りない気がずっとしてたんだけど、けむりんの顔見て、ようやく気が付いたんだよ。俺、けむりんが大好きだってな」
「な・・・何言って・・・」
「何じゃない!好きだって言ったんだ。ずっと寂しかったんだからな!」
「・・・俺は」
スモーカーが赤くなって目を反らすと、ルフィは頬を押さえて、無理矢理自分の方を向かせた。
「好きなら好きって言えよ!」
真っ赤になってスモーカーを見るルフィに対して、今までひた隠しにしていた感情が首をもたげ、スモーカーは赤くなって視線を落とした。
「海兵と海賊じゃ、身分が違いすぎるだろうが・・・」
「・・・俺は海兵のけむりんを好きになったんじゃねぇし、俺と二人だけの時は、麦わらじゃなくてルフィってちゃんと呼べよ!」
ルフィはそう言うと、被っていた帽子を脱いで建物の壁に立てかけ、スモーカーの上着を強引にずらした。
「これで海賊でも海兵でもないだろうが!勝手に境界線作って、人の気持ちを茶化すなよ!」
スモーカーがハッとして顔を顔を上げると、ルフィの顔が涙でぐしゃぐしゃになっていた。
「・・・俺は、少し歳を取り過ぎていたのかもな」
スモーカーはそう言うと、ルフィをそっと抱きしめた。
「愛してるよ・・・ル・・・ルフィ・・・」
「けむりん・・へへへ、俺も大好きだ」
「だが、仕事中は容赦しねぇからな」
「たりめぇだ。今日は・・・もう少しこのままで居ようぜ」
「・・・ルフィ」
「ん?・・・!」
夕暮れの街角で、二人は初めての口付けを交わした。
―終わり―
■あとがき■
あはははははは!
とうとう書いてしまったスモルですv
実は桜葉さん、スモル大好き人間なんですが、なかなか書く機会に恵まれずに、ここまで来てしまったので、本当に嬉しいですv
お題が
「境界線」
だったので、考え様によっては全部の作品でありだったんですが、今回は書きたいものを書くと言う、自分本来の目的に忠実になって今回の作品となりました。
話に関しては・・・ここで言うのも野暮な感じなので、今回は解説無しですが、感想なぞいただければ、泣いて喜びますですv