好奇心

(ワンピース・トレジャーバトル/ナミ・たしぎ)


「宜しくお願いします」
「こちらこそよろしくね♪」
互いの立場を知らない二人は、互いの考えを表に出さずに挨拶すると、指定された場所に並んだ。
今回のバトルは宝探し。相手はスモーカーとゾロのチームだった。
「今回、勝ちは貰ったわ」
まだ勝負も始まっていない内から勝ちを確信しているナミに対し、たしぎが唖然とする中、宝探しは、その幕を開けた。
「こっち来て」
ナミはカードを捜そうともせずに、開始と共に、たしぎを連れてジャングルの中へと身を潜めた。
「何をするんですか?」
キョトンとナミを見るたしぎに対して、ナミは勝ち誇った笑みを浮かべた。
「貴女、カメラか黒伝電虫持ってない?」
「・・・船に戻れば、両方ありますけど・・・」
「やった!これで完全に勝てるわ♪」
ナミは小さくガッツポーズを決めると、たしぎに乗ってきた船まで案内させた。
「・・・これ・・・貴女の船・・・?」
「えぇ、正確には大佐の船なんですが・・・」
たしぎがそう言って、ナミを連れて船に近づこうとすると、ナミは慌てて此処で待ってると告げて、たしぎの帰りを待った。

たしぎが戻って来た後、二人は固まってカード探しをし、夜になるのを待った。
そして夜になり、二人は何故か自分たちの宿舎では無く、スモーカー達の泊まるコテージの見える森の中に身を潜めていた。
『黒伝電はセット出来た?』
『はい。丁度大佐に届け物があったので、ついでにベッドの下に・・・』
『よし。音声はこれでOKね。後はこれを・・・』
ナミはそう言ってカメラを構えると、開け放たれた窓に向けて、カメラをセットした。
『見てみる?』
ナミは窓の方を凝視しているたしぎに囁くと、たしぎはすぐさまカメラのファインダーを覗き込んだ。
「!?」
たしぎは思わず大声を出しそうになる自分の口を自らの両手で押さえつけた。
ファインダーから見えるその光景に、たしぎは正に釘付けにされたかの様に凝視し続けた。
『本当に知らなかった様ね?』
ナミは、食い入る様にファインダーを覗き続けるたしぎに囁きかけると、たしぎはようやくファインダーから顔を離した。
『その様子だと、もう始まってるわね?』
ナミは、ファインダーを覗こうともせずに、シャッターを押しつづけた。

「こんな夜中に離れていても写真が撮れるなんて、さすが海軍の物は違うわね。」
自室のベッドに座り込んだナミは、カメラを抱えて嬉しそうに笑った。
「こ・・・これって・・・」
たしぎはと言うと、隣のベッドに座って、窓からこっそり逃げ出してきた黒伝電虫の盗聴してきた会話に、ただただ呆然としていた。
「貴女・・・本当に知らなかったみたいね?スモーカー大佐とゾロの関係」
人前では決して公開出来ない内容に耳まで赤くなりながら、たしぎは黙って頷いた。
「まぁ、あの大佐なら、隠し事するのも上手そうだけど、よりによって相手にゾロを選んだのが、失敗よねぇ」
「・・・貴女は何故、ロロノアと大佐の事を知っているんですか?それに、これは犯罪行為ですよ?」
たしぎの一言に、内心ギクリとしながらも、ナミは必死で冷静を装った。
「あらぁ・・・、でも、結構マジマジと見てたわよね、貴女・・・。それに・・・、この写真、欲しくない?」
ナミの一言に、たしぎはナミの事はどうでもよくなり、頭のてっぺんから湯気が出そうな勢いで、さらに真っ赤になった。
「・・・決まりね?じゃあ、早速現像しましょう」
ナミはそう言うと、たしぎに一緒に持ってこさせた現像キットを使い、写真を現像した。
「・・・初めて見たけど、凄いわね・・・」
ファインダーを見ないでシャッターを切っていたナミは、出来上がった写真を見て、思わず息を飲んだ。
「・・・。」
ファインダーを覗いていたたしぎも、鮮明に写る二人の様子を改めて見て、息が止まりそうな程に心臓の鼓動が高まった。
二人はその後、満足に睡眠もとれぬまま、朝を迎えた。

翌日の早朝。二人はスモーカー達の宿舎に居た。
「たしぎ・・・どう言うつもりだ」
スモーカーの刺す様な視線にたしぎは俯くと、ナミが代わりに口を開いた。
「簡単な取引よ。写真と伝電虫のセットと、貴方達が集めたカードを交換さえしてくれれば、私達は、昨日の事を完全に忘れるわ」
「ナミ・・・てめぇ・・・」
二人の事を知られてしまい、ゾロもまた、完全に頭に血が上った様子で、ナミを睨みつけた。
「・・・カメラ、フィルム・写真・ネガはこれで全部だろうな?」
深い溜息を付いたスモーカーが、真顔でナミを見ると、ナミは黙って頷いた。
「カードはこれで全部だ。これで良いな?」
結局スモーカーが折れた形となり、勝負はナミ達に軍配が上がった。

「・・・麦わらの一味なら、知っていて当然でしたね。」
別れ際に、たしぎはナミを真顔で見つめた。
「・・・バレちゃったか・・・。ま、そう言う事。」
ナミは大げさに肩をすくめるた後、たしぎにカードの半分を差し出した。
「今回は、貴女のおかげで大もうけ出来たわ。ありがとう」
「いえ、私こそ楽しかったです。」
「今度会ったら、また行ってみる?」
「・・・脅し抜きでしたら・・・・はい。」
たしぎが真っ赤になって返事をすると、ナミは楽しそうに笑った後、姿を消して行った。

戻ったたしぎを待っていたのは、いつにも増して不機嫌そうなスモーカーだった。
「・・・ちょっと来い」
「はい」
たしぎは、恐怖感に胸を締め付けられる思いを必死で抑え付けながらスモーカーの後を付いて行った。
「・・・見たのか」
スモーカーの船室に入り、部屋の鍵が掛けられると、スモーカーは振り向きもせずに聞いた。
「あ・・・え・・・すいません!!」
根が素直なたしぎは、隠す素振りすら見せずに、素直に頭を下げた。
「・・・この事は誰にも言うな。」
「はい!それは勿論・・・」
たしぎが頭を上げて、慌てて答えると、スモーカーは、深い溜息を付いた。
「・・・とんだ奴に知られたもんだ」
同じ頃、ゾロもまた、同じ事を考えていたが、二人の好奇心に満ちた行動は、今後暫く続く事となる。

―終わり―


■あとがき■
あははははは!!(最近こればっかり)
今回は初の脅しネタです(苦笑)
書き様によっては真面目なネタもアリだったんですが、最近何故かおバカネタが無性に書きたくて、この様な内容となりました(滝汗)
内容的にちょっとヤバイかな・・・とも思いましたが、このコンビ自体もかなりレアなので、掲載決定と相成りました。・・・が、これってやっぱり桜葉の趣味丸出し・・・(滝汗)
それはさておき、色々な組み合わせが楽しめるトレジャーバトルは、やっぱり買って正解だったわ♪
GCをお持ちの方は、是非一度、お試しあれv




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