因幡の花嫁

(天外魔境2)


「これは・・・」
「・・・」
「卍丸様、やはりお似合いです」
「花火姉ちゃん、そういう問題じゃない」
「・・・これは・・・卍丸が嫌がった訳だ・・・」
まつりが言い終えるのとほぼ同時に、全員の視線が、無言で極楽を凝視する千代に集中した。
「どうじゃ千代さん、なかなかに美しいじゃろ」
白粉で顔を真っ白にした極楽がにんまりと笑うと、千代は引きつった笑みを浮かべた。

それから数日後、皆の元へ、極楽から手紙が届いた。
内容は、千代が自分の美しさに嫉妬し、吉備のいろは宮へ帰ってしまったと言った物であった。
手紙を読み終わった全員が、同時に深いため息をついたのは、言うまでもない。

おわり


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