「わたくし、どちらの意見も間違ってはいないと思いますわ」
一番前にいたすみれが中に入り、ベッドの傍にある椅子に腰を掛けた。
「だって、叱ってくれる人が居ないと、物事の善悪の解からない人間になってしまいますわよ?」
「そやそや、うちらかて年中マリアはんに怒られてるけど、一回だって恨んだ事なんて無いで」
「・・・みんな」
その時、不意にマリアは時計が真夜中を指している事に気が付いた。
「・・・だったら言わせてもらうけど・・・」
その瞬間、全員がマリアの怒りのオーラを感じ取り、逃げ腰になった。
「何故皆してこんな時間まで起きてるのー!!」
まるでその声をきっかけにした様に、アイリス以外の全員が一目散に自分の部屋へと帰って行った。
「・・・まったく」
マリアは溜息交じりに文句を言いつつも、その表情は明るかった。
「アイリス?」
「・・・ん?」
マリアは椅子に座ったまま眠っていたアイリスを、ベッドへと抱え上げた。
「今日は遅いから、此処で一緒に寝ましょ?」
「うん・・・おやすみぃ・・・」
アイリスはそう言うと、そのまま眠ってしまった。
マリアは電気を消してから再びベッドに潜り込むと、アイリスの寝顔にそっと囁いた。
「素敵な夢をありがとう」
―おしまい―
■あとがき■
いやいや、やっと終わりました。今回少し長めの話になりましたね。今回はマリアサイドで書きましたが、アイリスがあのまま大人になったら大神君は混乱必至でしょうね(苦笑)
タイトルのアダルトチルドレンと言うのは、精神的に大人になりきれていない大人を指す言葉なので、本来マリアには一番相応しくない言葉なんですが、逆もまた真なりって事で付けてみました。
大変お待たせしましたが、どうぞお受け取りくだせぇ。