揺れる想い

(大神×マリア)


「あの・・・マリアさんの分はこれです。」
差し出されたのは、明らかに皆の物とは違う少しくたびれた化粧ポーチだった。
「あの・・・これだけは大神さんが全部縫ったんです。・・・その・・・少し縫い目とかが粗いですが・・・」
必死に大神をフォローしようとする花火の手を、マリアはポーチごと包み込む様に両手で握った。
「ありがとう花火。そして・・・ごめんなさい。」
「え?」
「私、今まで大神さんと花火の事を少し疑っていたの。今はそんな自分が恥ずかしくて仕方無いわ。」
「・・・いえ、私が逆の立場でしたら、多分同じだったと思いますし、それに・・・」
花火はそのままの姿勢でマリアの目を見つめた。
「それに、大神さんの事はまだ諦めていませんから・・・ぽっ」
「そうね・・・お互いに諦めるのは早いわよね?」
「はい。」
二人は手を取り合って互いのライバル関係を再確認すると、丁度部屋から大神が出てきた。
「今まで大神さんをお借りしていましたので、今回はマリアさんにお譲りします。」
花火はそう言って手を離すと、大神と入れ替わりに楽屋へ戻って行った。


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