深夜、片付けを終え、寝静まった紅蘭の部屋をノックしたのは、意外な人物だった。
「あれ?どないしたんや、3人揃って・・・」
キョトンとする紅蘭の目の前には、マリアとグリシーヌ。そして大神の姿があった。
「今日の礼を言いに来たところ、丁度この二人とでくわしてな・・・」
サロンに場所を移した4人が腰を掛けたところで、グリシーヌが恥ずかしそうに頬を赤らめながら口を開いた。
「で、結局皆、同じ用事だったって事で、3人で寄らせてもらったのよ」
マリアがグリシーヌの言葉を引き取ると、紅蘭も、ようやく合点がいったと言う顔になった。
「大変な役目を押し付けた形になって、ごめんな、紅蘭」
大神が最後に謝ると、紅蘭は静かに首を横に振った。
「物を壊されるのは慣れとるし・・・それに、物は壊れても再利用出来るやんか。でも、人間関係は、一度壊れたら、中々直せへんし、かと言って別の人間関係を築く訳にもいかん・・・うち、皆にはいつも仲良くしてもらいたかっただけなんや。」
紅蘭はそう言うと、一息ついて、再び口を開いた。
「エリカはんのやった事は、たしかにいけない事やし、うちも、薪にされる椅子やテーブルを見て腹が立たなかったと言えば嘘になる。けどな、エリカはんかて、決して悪気があった訳じゃないからこそ、文句を言いながらでも片づけを手伝ってくれる皆を見たら、怒りもどっか行ってしもうたわ。ははははは」
「そうだな・・・だが、改めて巴里華激団の一員として、礼を言わせてもらう。ありがとう」
「嫌やな・・・ちょっと、やめてんか、うち、そないな事されたら、恥ずかしいわ」
グリシーヌに頭を下げられて、困惑する紅蘭を、大神とマリア。そして、物陰から米田が微笑ましく見守っていた。
おわり
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