その頃二人は公園の中を流れる小川のほとりで並んで座っていた。
「皆さんは帰ったみたいですね」
「あら?何時の間に帰ったのかしら?」
加山の一言に、かえでは誰も居なくなった園内を見回した。
「大神が一緒だから心配はいらないでしょう」
「そうね」
二人は暫く黙って蛍を見ていると、その光が一つ、また一つと少なくなっていった。
「あら?どうしたのかしら?」
「蛍は、九時を過ぎると光らなくなるんですよ」
「そうなの?」
かえでは加山の意外な一面を見た気がして驚いて加山を見た。
「じゃあ、私達もそろそろ・・・」
そう言って立ち上がろうとしたかえでの手を、加山はそっと握った。
「加山君・・・」
「・・・もう少しその姿を見させて貰えませんか?」
その言葉に頷いたかえでは、再び座り直す形となった。
「蛍は、愛するただ一人の人を捜す為に光るんだそうです」
「・・・」
「俺も、貴女の為だけに光続けられたらと思いますよ」
「加山君・・・」
「そして貴女にも俺の為だけに輝いていてほしいです」
「・・・はい」
二人の時間はこうして過ぎて行き、帝劇に帰ってきたのは真夜中の事だった。
かえでが帝劇に帰るとほぼ同時に、サロンで物凄い爆発音が聞こえ、加山と共にサロンへ行くと、そこには真っ黒焦げになった大神の姿があった。
「・・・どうしたの、一体?」
皆に事情を聞くと、あまりにも大神がはっきりしないので「まことくん2号」を使ったところ、爆発したとの事だった。
加山は、真っ黒になり泣いている大神を見て、同情する反面、大神が恋のライバルにならなかった事を内心ホッとした思いで見ていた。
―終わり―
■あとがき■
終わりました。
何か久々にサクラネタ書いたせいか、早かったですね♪
今回は恋愛より日常にスポットを当てた感じになりましたが、こんなんで宜しければ是非貰ってやって下さい。