扉(天外魔境2)

(天外魔境2)


「おい・・・いくつあるんだよ、この扉は」
丹波の外れにある鹿の子村。
この村で、ホテイ丸に再会した卍丸一行は、この先の浪華に一刻も早く進みたかったのだが、村に突如出来たと言う妙なほったての小屋の中に居た。
小屋の持ち主は、先日愛妻を亡くしたばかりのデューク・ぺぺ。
砂塵城から逃げ出したと思ったら、丹波の国でしつこく卍丸を付け回し、挙句にこんな小屋まで建てて卍丸の足止めをした張本人である。
しかし、この小屋はかなりシンプルな作りではあるが、無数にある扉が行き先をさえぎり、その上、扉の向こうには、沢山の魔物がひしめき合っているので、扉を幾つか過ぎたところで、カブキが愚痴をこぼしたのも頷ける話である。
「出口は何所なんだよ・・・」
火を吹いて敵を焼き尽くした極楽が、煙を吐きつつ言うと、回復呪文を唱え終えた絹が、黙って目の前を指差した。
「この先なのか?」
「・・・この扉の先に、物凄く邪悪な気を感じるわ・・・きっとこの向こうが出口」 卍丸が真剣な顔で絹を見ると、絹は鋭い眼差しを扉に向けていた。
「よし、回復も済んだ事だし、さっさと片付けようぜ!」
極楽の一言に、皆が頷くと、目の前に立ちふさがる、簡素な扉を開いた。
すると、絹の予言通りにぺぺは居たが、卍丸達と刃を交える事無く、逃走してしまった。
「愛してるよ、卍丸」
の一言を残して・・・。


次のページ
小説目次(100のお題)
小説総合目次
入口
目次