「すみれくん・・・?」
驚いた顔で大神が近寄る頃には、すみれはすっかりいつもの冷静さを取り戻していた。
「あら、こんな時間に何の御用ですの?少尉」
「それはこっちが聞きたいよ・・・どうしたんだい?こんな時間に・・・」
すみれは、月明かりを頼りに、何かを探していた様子だった。
「もしかして、アイリスのブローチを・・・?」
「な!・・・何をおっしゃっているの?私はただ、月が綺麗だから、つい見晴らしの良い所で見たくなっただけですのよ.
おーっほっほっほ」
すみれは片手を頬に当てるポーズをして笑うと、すみれの足元で何かが輝いた。
「すみれくん。足元!」
すみれが足をずらすと、其処にはアイリスのブローチが月明かり
に反射して光っていた。
「・・・すみれくんのおかげだな」
「な・・・私はただ・・・」
「君が月見に来てくれたおかげで見つかった・・・違うかい?」
大神の一言に、すみれは赤くなって視線をそらした。
「そのブローチは、少尉が返しておいて下さいな。では、私はこれで失礼致します。」
すみれはそう言うと、いつもより少し軽い足取りで、階段を降りて行った。
翌日、大神からブローチを受け取ったアイリスは数日後、すみれと二人で仲良く出かけて行った。
おわり
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